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かず太郎ちゃんのお母さんより

  • 飼い主様の声

ここに2匹のかわいい写真があります。お名前は、右側の毛の色の濃い子が「いつちゃん」で、左側のおめめがクリクリの子が「かず太郎ちゃん」です。それぞれ違ったかわいさがあり、うちの病院ではとても人気者です。ただ、残念なことに「かず太郎ちゃん」は、もうこの世にはいません。今回は、この「かず太郎ちゃん」のお話を少しさせていただきます。
 かず太郎ちゃんが当院に初めて来たのは、生後約3ヶ月のときでした。まだ800gだったのですが、とっても元気な子で、おめめはクリクリ、毛はふさふさ、とってもかわいい子でした。その後、順調に成長し生後1年の頃には3.2kgにまで成長していました。ワクチンや去勢手術も無事に済ませ、元気な毎日を過ごしていたのですが、生後1年半の時に突然病気が発症してしまいました。おなかの中に水が溜まってくるという病気でした。精密検査をしたところ、病名は「猫伝染性腹膜炎」でした。この病気は、発症すると死に至る確立が極めて高い病気です。
 かずちゃんの調子が悪くなってから毎日の治療が始まりました。その日、その日でかずちゃんの調子はまちまちでしたが、比較的安定している日には、オーナー様から「今日、うちの子、虫を捕まえて食べたんです!」とうれしそうにお話をしていただいたり、「今日はウンチが出ました!」とか「今日はいつちゃんのカリカリのごはんを食べた!」とか、普段元気なら当たり前のことですが、病気になってからはかずちゃんのちょっとした変化を楽しそうに報告してくださいました。私達スタッフもそういった報告を聞かせていただくことがとても楽しみで、「少しでもかずちゃんが良い状態を維持してくれれば良いのに!」という思いでいっぱいでした。
 でも、日に日に弱っていくかず太郎ちゃん。オーナー様や私達の願いはかなうことなく、、、。
 そんなかず太郎ちゃんのオーナー様よりお言葉をいただいております。ここにご紹介させていただきます。

 (以下かず太郎ちゃんのお母さんより)

私達夫婦は6年前に息子を亡くしました。それから4年後、私達は2匹の、
しかも誕生日が同じオス猫を飼い始めました。私が猫なのか、彼等が人間なのか分からなくなるぐらい、それはもう毎日毎日が楽しく、満開のお花畑で暮らしているかの様な日々でした。そんな時、かず太郎の病気が発覚しました。『生』あるものは必ず死ぬ。分かりきっていることとはいえ、なかなか受け入れることができませんでした。正直、『死』はもう当分経験したくなかった。たかだか猫の死ではないかと言われればそれまでですが、彼等は私達の息子として育てていたのでそのショックたるや・・・。以前のかず太郎には決して戻ることはないことぐらい分かっていました。けれど、セナ動物病院の前向きな姿勢と優しさにふれ、私はかず太郎の生命力をもう一度信じてみようと思い始めました。二ヶ月の通院は正直しんどい時もありました。これ以上治療しても駄目だろうと心が折れそうな時もありました。しかし、一番しんどいのはかず太郎本人で、そして彼は生きよう!としている。彼は二ヶ月間戦い抜き短い命ではあったけど、精一杯生きました。
 病気が発覚してから死ぬまでの二ヶ月間、私達は出来うる限りのことは全てしました。後悔はありません。それよりも、清々しい気持ちの方が勝っています。死を経験して清々しいと思える。これは初めての経験であり、このような経験をさせてくれたセナ動物病院には心から感謝しております。改めて、人は言葉によって救われるものだと思いました。
 スタッフの言葉と笑顔、そして、かず太郎のおかげで私達はまた一つ大きくなれたと思います。

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